PRP(多血小板血漿)治療について

ひざの痛みに効く PRP(多血小板血漿)注射とは?

 血液には痛んだ部位を治そうとする物質(成長因子)があり、打撲や捻挫でおこった腫れ(皮下出血)においては、その血液により傷んだ部位を元通りに治そうとする「自己修復力」が働いています。PRP(多血小板血漿)療法は、患者さん本人の血液中の組織修復する成分を抽出し患部に投与することで、本来 体がもつ「自己修復力」を 増大させる治療です。変形性関節症においては関節炎の改善により痛みの軽減を図ります。自分の血液を用いるため、おもい副作用がないことが特徴です。

 

● 治療の対象および効果

 変形性関節症(膝 肩 股 足関節)を対象とした治療方法です。痛み止めの内服やヒアルロン酸の注射などの既存の治療が無効であった方にも、PRP療法により痛みが取れる方がいることが分かっています。変形性膝関節症におけるよい適応は変形の程度が初期から中期のもので、効果には個人差がありますが約6か月程度です。具体的には「今行っている治療の効果があまりない」、「手術の決心がつかない」、「手術ではない治療方法を試してみたい」など痛みでお困りの患者さんが対象となります。ただし抗凝固薬を使用中の方、血小板減少症等出血性素因のある方は治療を受けて頂くことができません。

 

● 治療のながれ 

 患者さんからPRPの元となる血液を採取します。遠心分離機を使用してPRPを調整します(約30分)。抽出したPRPを関節内に注射します。注射後は約10分間安静にして、体調に変化がなければすぐに帰宅できます。

● 副反応 患者さんご本人の血液を用いるため、アレルギー反応や感染症のリスクが少ない安全な治療です。PRP注射後~数日間、治癒過程における炎症反応のため痛みや腫れが生じることがあります。

● PRP療法の費用 

 PRP療法は日本ではまだ保険診療として認められておらず、自由診療となります。また当院で採用しているPRPは以下の2種類があります。

PRP:京セラ社 Condensia  1回 30,000円  (税別)

APS:Zimmer-biomet社 1回 300,000円(税別)

当院では従来のPRPに加え、抗炎症因子と成長因子をさらに高濃度に抽出したAPS法も採⽤しています。APS法についてはPRPよりも効果が継続する(最⼤24ヶ⽉程度)と⾔われています。

 

当院で提供する PRP/APS 療法は、特定認定再⽣医療等委員会(⼀般社団法⼈⽇本先進医療医師会※)によって審査され、厚⽣労働⼤⾂に再⽣医療等提供計画を提出し、治療として受理されています。

当院の管理者︓ 医療法⼈新和会 朝⽥整形外科  朝⽥ 滋貴